イタコが電話占いに在籍する理由
「電話占いのイタコって本物なの?」と疑問視する声をよく耳にします。イタコといえば恐山で口寄せ。そんな人たちが電話で恋愛相談などしないのでは? というご意見です。そういった疑問が沸く気持ちもわかります。しかし、この疑問は現代イタコ事情を理解していないものである、と言えます。
イタコは主に青森県を中心に活動する巫女の総称です。しかし彼らはいつでも恐山にいるわけではありません。
イタコが恐山に集まるのは年二回。夏と秋のお祭りの時だけです。彼らは普段、町や村で一般人として生活しながら、依頼に応じて個人で口寄せ鑑定を行ったりしています。
恐山には足を運ばず個人で活動するイタコも多数いらっしゃいます。
また、「イタコは高齢化・少数化の一途を辿っている」と言われていますが、イタコに弟子入りし、霊媒術を習得する者は決して少なくありません。中には男性の霊媒術師もいらっしゃいます。
しかしながらそういった者の多くはという土地のしがらみに縛られるのではなく、もっと多くの人に向けて救いの手を差し伸べたいと思い、習得した霊媒術を用いて個人で活動を始めます。近年では師匠となるイタコがそういった活動を奨励している風潮もあるそうです。
そういった者の多くが、電話占いに流れ着きます。イタコ系電話占いとして有名な「王寺院」「陸奥」などは、そういった霊能者が集まって作られています。
彼らの中にはイタコの血脈がしっかりと受け継がれているのです。伝統的なイタコの形式とは異なる、新しいイタコの姿であると言えるでしょう。